【個別コーチご利用体験記】一ノ瀬 健伍 さん

【氏名】

 一ノ瀬 健伍 さん

【大学】

 大阪経済法科大学 法学部 法律学

法科大学院

 神戸大学法科大学院 修了

【合格実績】

 2022年9月 令和4年 司法試験 合格

※ 一ノ瀬さんの法科大学院入試の合格体験記はこちらです。

【個別コーチのご利用内容・感想など】

1.個別コーチ利用の経緯

 個別コーチの担当講師の徳丸さんに大学時代からお世話になっており、司法試験対策講座等を受講していたため、また、徳丸さんの答案添削時の振り返りや答案の中での考え方や当てはめの考え方問題検討時の思考方法等を法科大学院在学中にもう一度学びたいと思ったため個別コーチを利用させて頂きました。

2.個別コーチ利用の期間・内容

 利用期間は約1年程度、頻度は月に2回程度をベースに利用していました。

 個別コーチでは、司法試験の過去問を直近の年度(私の場合は、令和4年度受験のため、前年度の令和3年度から平成30年度まで)をまず行い、司法試験前に今年の司法試験の出題可能性も踏まえた上で解いておきたい過去問のうち、自主ゼミで扱った問題を除いた中から徳丸さんに選定して頂いた年度の過去問を各科目扱いました。

 双方向による起案添削に加えて、過去問特有の難しい内容、論点をメインに潰していくというよりは、各科目の問題をとく上で必要となる基本的な思考方法や条文及びその要件、判例等の基本的なことを毎回押さえつつ、基礎的な点を踏まえた上で応用的なことも解説して頂きました。

3.個別コーチを利用してよかった点

 司法試験本番では外さないことが大事になると個人的に思うので、この様な基本的な思考方法は、今年司法試験を受験していくにあたって、答案の方向性を丁寧に考えていく上で非常に有用でした。実際にA評価を6つ取れたのもこのような基本的な考え方等を個別コーチで身につけていたため答案の流れが確立していた点が大きな理由になっていると考えています。
    また、豊富な受験指導経験から、一般的な受験生や競争相手となる法科大学院生がよく誤解している点や、この程度は他の受験生も書いてくる等の書き負けしないポイントといった受験生の相場観を教えていただいたことも、司法試験でのメリハリに繋がったと実感します。徳丸さんがこれまでにされてきた過去問に対する検討や分析等を教えて頂けるという点は、自力で行うにはかなりの時間を要することになるため、これらの事を問題検討を通じて学ばせていただいことも合格に役立ったと感じています。

 そして、出題趣旨等でよく書かれている試験問題の個別的な事情に対する検討という点についても、個別コーチを利用して学ばせて頂きました。個別的な検討等は正解があるものではなく、直ぐに習得できるものではないと思うため、前述のような過去問の分析や過去問の答案等を通じて双方向で学ぶことができたので、深い検討をすることができるようになりました

 最後に、個別コーチを複数回に渡って受講したことにより、私自身の弱点部分を指摘していただけたことも合格に役立ったと考えます。過去問検討等により自身の弱点を自己分析できるに越したことはないとは思いますが、実際にこのような事を1人で行っていくことはなかなか難しいと思うため、個別コーチの際に客観的に分析していただいたことは、自信の弱点克服にとても役立ったと感じています

【自分の学習方法や経験談など】

 法科大学院在学中に私が行ってきた学習方法としては、短答過去問を毎日解き基本的な論点が網羅的に掲載されている演習書を何度も繰り返し解くことにより基本の部分を確実に習得しつつ、自主ゼミや個別コーチで過去問を通じたアウトプットを行ってきました。
 大学3回生の途中までは基本書を何度も読み込むことで問題が解けるようになると考えていたためひたすら基本書を読んでいましたが、アウトプットを行わずにインプットのをみ行ったとしても問題が解けるようにはならないと感じたため、アウトプット中心の学習方法に切り替え、アウトプットの中で必要に応じて調べ事等でインプットを行うようになって行きました。

 基礎知識の土台を作ることは問題をとく上で必要にはなりますが、アウトプットを行わなければ、問題で何が問われているかということや、インプットしたものをどのように利用するか等がわからないため、一定のインプットをした後(最低限の定義や規範を理解して覚えた頃以降)は、アウトプット中心の学習方法が良いのではないかと考えます。

 

※ 2022年11月にご寄稿いただきました。

 

【コメント】

 令和4年司法試験合格おめでとうございます!

 担当者(徳丸)としては、一ノ瀬さんが大学1年次生の頃からのお付き合いなので、とても感慨深く、だからこそ(?)、「1発合格カッコイイね!」、「しかも成績良いし!」っていう語彙力不足な感想がまずは率直に出てきてしまいます。笑

 一ノ瀬さんの学習スタイルは、上記の体験記だけでなく、法科大学院入試後にもこちらで語られているので、合わせてご覧いただくと参考になることが多いと思いますが、法科大学院入試対策、司法試験対策に共通して能動的な学習スタイルを確立させ、それを繰り返し実践してきたことが成功の秘訣だと感じております。具体的には、初学者から中級者段階では、どうしても書くこと(すなわち、アウトプット)を躊躇しがちで、基本書や予備校テキストなどの通読を中心としたインプットに偏った学習方法に陥りやすいのですが、一ノ瀬さんは、早い段階で、そのような方法では成長できないと自認し、自分自身の判断で基本事例問題や過去問を用いたアウトプットを通じて、必要なところを適宜インプットし直すという学習スタイルが確立し、それを長期間コツコツと継続してきたことが、今回の試験結果に直結しているのだと思います。そして、アウトプットをする際にも、他者に頼り切るのではなく、自分でできることは自分で済ませる、自分“だけ”では成長しにくい、気が付きにくいところなどを補完するために個別コーチを上手にご利用いただいていたのはないかと思います。また、法科大学院の正課などにおいても、能動的に取捨選択の判断をし、メリハリを付けた院生生活を過ごされていた印象でした。これらは、頭ではわかっていても、日々実践をしていくうちにそのスタイルが崩れてしまう方も少なくない一方で、確立した能動的な学習スタイルを一貫して続けられてきたことが、一ノ瀬さんの最大の強みであり、法科大学院入試に続き、司法試験合格という勝因に繋がったのだと思います。

 一ノ瀬さんが今後どのような法曹になるのか、とても楽しみです。自分のやりたいことも良い意味で欲張って行うことができるタイプだからこそ、人間味のある素敵な法曹として活躍されることを願いつつ、これからも応援しております!

 

                        [コメント:取締役 徳丸 祐治]