【氏名】
S.T さん
【大学】
関西大学 法学部
【合格実績】
2023年8月 関西大学法科大学院 合格(学費全額免除)
2023年9月 同志社大学法科大学院 合格(学費全額免除)
2023年11月 大阪大学法科大学院 合格
【個別コーチのご利用内容・感想など】
1.個別コーチの利用経緯
私は、学部3年生の春から法科大学院に向けた学習を始めました。しかし、ほぼ独学であったこともあり、薄い基本書+憲民刑の演習書を一周したものの、どうしたらいいのか、どうやったら論文が書けるようになるのかが全く分かりませんでした。そんな不安が2023年の1月に爆発し、こんな状態ではどこのローにも受からないと思い、ネットで個別指導を探しました。なぜ、すずかけLabo.だったのかといえば、他より安かったというのと無料の受講相談があったからというのが正直な理由です。受講相談+数回の個別コーチの利用後、徳丸さんについていこうと決めました。
2.利用期間・回数、個別コーチの内容
入試の年の1月から10月、月4回のペースで個別コーチを利用をしました。
基本的な内容としては、法科大学院過去問の起案と解説・添削の繰り返しです。この繰り返しの中で、基本事項や重要論点(論証例も含む)・判例、復習すべき事項、答案の型などを教えて頂きました。また、基本的な学習計画や方法、受験校についてもアドバイスを頂きました。
〈具体的な利用と学習の流れ〉
利用前:薄い基本書(行政法以外)+憲民刑商の演習書、起案の経験なし
1月から3月 刑法4回→民法4回→憲法4回
4月から5月 商法2回→刑訴2回→民訴2回
→ ここまでは、論証集等参照あり、時間制限なしで書いてました。各科目最初の1回目は、論点大外しのぐちゃぐちゃ答案を書いていました。憲民刑の復習中心。
6月から7月 刑法 民法 憲法 刑法 民法 憲法
7月から8月 刑訴 民訴 民法 民訴 民訴 ☆関大S日程、同志社前期
→ 6月から、本番の形式で書き始めました(正直、ちょっと論証集をカンニングしてました。)。商法の復習。民訴法の演習書(過去問に出てきたところだけ)。刑訴法の同志社の過去問。
9月 行政 商法 行政 行政
→ 行政法(総論)の学習開始
10月 商法 民訴 刑訴 刑法 ☆阪大
→ 過去問とまとめノートの復習
3.個別コーチの上手な活用の仕方
毎回起案とある程度の予習をして、個別コーチに挑み、分からないことは分かるまで質問をして、しっかり復習(関連分野も含めて)する。学習計画や方法等についてのアドバイスを実行する。これに尽きると思います。私も司法試験合格までこれを徹底したいと思っています。
4.良かった勉強法
・ 一元化教材をつくったこと
・ 過去問を徹底的にやったこと
・ 定期的に起案をしたこと
・ 復習をしたこと(個別コーチでやった分野よりちょっと広げて復習)
・ 苦手分野を徹底的にやる日をつくったこと
5 今後の利用者に伝えたいこと
私は、最初は、こんなになんにも書けない自分が個別コーチを利用してもいいのだろうかと考えていました。大丈夫です!徳丸さんは、その方のレベルやタイプに合ったコーチングをしてくれるので、全くそんなことは考える必要はありません。
私は、個別コーチなしでは、絶対に受験校に合格することは出来なかったと思います。もし、個別コーチの利用を迷っているのであれば、とりあえず、受講相談をした上で、何回か個別コーチを受けてみることをお勧めしたいです。
【自分の学習方法や経験談など】
1.受験校別の感想
⑴ 関西大学
ア 総論
S日程(既習)は、例年40人程度の合格を出しますが、今年は18人と少なかったです。一方、受験者数は増えた様なので、(謎の?)高倍率という結果になったようです。法科大学院の先生の話によると、18位と19位の間に点数差が開いており、そこに合否ラインをひくことになったため合格者が少なくなったということです。ちなみに、S日程で合格すると全員授業料免除がもらえます。
配布六法はポケット六法です。
イ 科目別(主観的な出来◎○△×)
・ 憲法◎
在外日本人国民審査権違憲判決をベースにした問題
国民審査権の性質、違憲の結論を書く指定あり
第2問で、国賠法(国会議員の立法行為について)の問題(判例に触れる指定あり)
作問担当者と思われる先生が、法科大学院受験をするのに憲法の直近2年程度の最新判例を勉強することは必須であると言っていました。
私の観測できた範囲では、不合格者は憲法で大きな失敗をした方がかなり多かった印象です。
・ 民法×
近年の過去問は、総則・物権からの出題かつかなり容易な問題が多かったですが、今年度は債権総論・各論からの出題でした。私自身は、ロー入試唯一の途中答案(2問中1問ほぼ白紙)をしてしまいました。
・ 刑法○
過去問をみていると、同志社や阪大に比べ、総論・各論双方から幅広く出題される印象です。入試説明会で、刑法の先生が何度もおっしゃっていたのは、「途中答案だけは絶対するな」というということでした。
・ 商法△
過去問では、単純に条文を上げさせるだけの問題が多かったですが、(おそらく、作問担当者の先生が変わり)今年度はしっかりとした事例問題が出題されました。当時は勉強が進んでおらず、採点実感と比べるとかなりの論点を落としましたが、7割の点数がとれたので、とりあえず、条文さえしっかり提示できれば、合格できることには変わりがないのかなと思いました。
・ 書類審査○
卒業見込者枠は、300/650が書類審査なのでなかなかの割合です。関大に指定されたGPAの計算で「2.70」だったら、そのまま「270」点貰えます。法曹コースだと、90点加算されるので、300点満点の人がほとんどっぽいです。関大は、自由科目や教職科目も含めて、成績証明書に載っているすべての科目のGPAを計算させられるので、注意が必要です。
⑵ 同志社大学
ア 総論
配布六法はデイリー六法です。
イ 科目別
・ 憲法○
13条(自己情報コントロール権)に関する最新判例をベースにした問題
一部違憲の判例の類型と裁判所が一部違憲判決を行うことの当否についての問題
統治の前段の方に関しては、そんなん知らん!無理だ!と思ったので、とりあえずそれっぽいことをでっちあげました。後段の方に関しては、①国会の立法権との関係、②裁判所による救済という観点に触れろという誘導があったので、現場で何とか考えて絞り出しました。
・ 民法△
第1問も第2問も論証を書くというよりも、適切な条文を提示し、要件にしっかりと事情をあてはめさせる問題だった。
・ 刑法◎
強盗と共犯のゴリ押しではなく、各論型(詐欺・恐喝・傷害致死)だった。おい!同志社のために共犯めちゃくちゃ勉強したのにと思ったが、関大の過去問で解いたこともあり、典型論点だったので、なんとかなった。
・民訴法◎
・刑訴法◎
両訴法に関しては、同志社は過去問と同じ論点がでることが非常に多い。すずかけでも個人でも過去問をしっかりやっていいたので、覚えたことをそのまま書けばオッケーだった。特に民訴は、すずかけLabo.の個別コーチで直前に選定してもらって解いた参加的効力と弁論主義(補助事実・契約書)が出たので、時間を次の刑訴にかなり回せた。もっとも、刑訴もすずかけLabo.の個別コーチでしっかりと扱った強制処分と違法収集証拠排除法則だったので、丁寧目に書いたが時間が15分以上余った。
⑶ 大阪大学
ア 総論
初の七科目受験だったので、かなり疲れた。休憩時間が長い。
配布六法は、ポケット六法です。
イ 科目別
・ 憲法◎
集会の自由からの出題(最新判例は大事だなと痛感)
問題からして、泉佐野市民会館事件をかなり意識していると感じた。すずかけLabo.の個別コーチで重点的に解説を受けた分野・判例からの出題であり、判決原文も読んだことがあったので、しっかり書くことができた。
・ 民法◎
過去問も今年度も、一問一問は典型論点であり、難易度は高くないが、幅広く出題されるかつ配点が多いので、直前に一番勉強時間を使った。阪大はロープラと同じような問題が多いので、重要判例の事例を少しいじっただけの問題が多いと思う。今年度も、最後の事例問題は、ロープラにあるやつがほぼそのままでたので、時間を節約できた。
行数指定の問題は、あらかじめ指定行数だけが印刷された解答欄が設けられていた。最初文字を大きく書きすぎてしまい焦った。認められるのかはわからないが、後半は、細いペンでつめつめに書いてしまった。
・ 刑法◎
どれくらいの回答が求めらるのかは別として、問題自体の難易度としては、関大や同志社に比べて、易しい気がする。また、過去問を分析していると、同じ論点が何回もでていることが分かる。今年度も過去問とほぼ同じような問題(誤想防衛)が出題された。
・ 行政法△
まさかの無差別自動車検問(警職法・警察法)、刑訴法やん!と思った。この論点の存在は知っていいたものの、勉強したことがなかったので焦った。規範部分は、本文の事情から、推測してでっち上げた。
・ 商法×
後述の民訴が大爆死して、焦りながら解いたため内容面でも分量的にも(1ページ半のみ)かなり出来は悪かったと思う。ただ、条文提示だけは、意識できたのが最低限よかったかなと思う。
・ 民訴法×××××......
過去問が既判力ばっかりだったので、既判力を中心に対策をしていた。また、同志社で出た典型論点も学習した。しかし、ほぼ勉強していなかった訴訟代理権(?)などから出題されほぼなにもできなかった(できなすぎて、何を書いたのかも覚えていない)。とりあえず、六法を見まくって関係ありそうな条文を書いた。最終的に、1ページも埋まらなかった。終了後、放心状態。
・ 刑訴法××
語句説明は、1問ごとに解答欄が設けられている。3問中1問(勾留質問)が全く分からず、空欄になった。事例問題も全く問題になりそうな行為が見つからず焦った。とりあえず、なにか書こうと思って条文と要件のあてはめをした。最終的に、問題なる行為に気づいたが試験終了5分前で、その部分については2行くらいしか書けなかった。事例問題は、1ページすら埋まらなかった。絶望。
2.法科大学院受験の感想まとめ
関大と同志社は、合格したと思っていたが、阪大は絶対落ちたと思っていた。各校の合格の要因は、関大:条文をしっかり提示できたこと、同志社:過去問、阪大:憲民刑がしっかりできたことだと思う。特に、関大と同志社で上手くいかなかった民法を9月10月でかなり勉強したのがよかった。合否は基礎で決まるというのは間違いないなと感じた。
3.反省点
過去問中心であったため、手つかずの分野ができてしまっていたこと
→ 阪大民訴などで大失敗した要因かなと思います。ただ、時間がそんなにあったわけではないので、ロー入試との関係では、他の出題可能性が高い分野に時間を割けたという意味で、悪くはなかったのかなと思ったりもします。(もちろん司法試験ではそんなこと言ってられませんが。)。
※ 2023年12月にご寄稿いただきました。
【コメント】
Tさんの素晴らしいところはたくさんございますが、その中でも厳選するとすれば、⑴コーチングの際の添削・解説コメントを真摯かつ素直に、しかしながら、決して鵜呑みにはせず能動的に自分のモノにしていたこと、⑵やりっぱなしにせず、徹底的に復習をしていたこと、⑶一元化をしっかりとしていたことなどがとても印象に残っております。これはTさん本人にもお伝えしたことなのですが、個別コーチのご利用開始1か月頃(4回めのご利用を終えた頃)に、「あ、Tさんは志望校全勝するな。」と確信致しました。たった1か月ですが、上記⑴ないし⑶の傾向が既に表れ始めていたからです。また、⑴に関連しますが、Tさんは、担当者の添削・解説コメントに納得がいったときは素直に受け入れてくださるのですが、少しでも引っかかったところは理解した振りをしたり妥協したりせず、徹底的に質問を投げかけてくださいました。この一連のやり取りが間違いなく伸びた要因の一つであることはさもありなんです。こちらも、Tさんに納得して理解していただくためにどうアプローチするかなどを深く思考することができ、とても充実したコーチングをさせていただくことができました。その結果、Tさんは見事受験校全てに合格を果たされました。
また、Tさんは、各受験校(関西大学法科大学院、同志社大学法科大学院、大阪大学法科大学院)の体験記を丁寧に書いてくださっているので、当該3校が志望校の方はもちろん、これから法科大学院入試にチャレンジされる方にとってとても参考になると存じます。そして、このように受験しっぱなしになりがちなところをきちんと試験後に自己分析をしておられるところがTさんの強みの一つです。今回よりも次回、次回よりも次々回と着実にステップアップできている姿がしっかりと目に浮かびます。
Tさんは、来春より、大阪大学法科大学院へ進学され、在学中受験での合格をめざして司法試験にチャレンジされていきます。Tさんの分析力と実行力があれば、法科大学院の正課についてもメリハリを付けて上手に活用することができると存じます。ひとまずは、弊社からのサポートは終了となりますが、また機会がありましたら是非一緒に勉強しましょう。司法試験合格のご報告を楽しみに待ちつつ、引き続き応援しております!
[コメント:取締役 徳丸 祐治]