【受講・合格体験記】M.M さん

【氏名】

 M.M さん

【大学】

 大阪経済法科大学 法学部 法律学

法科大学院

 中央大学法科大学院 修了[法務博士(専門職)]

【合格実績】

 2017年 9月 中央大学法科大学院 合格

 

【主な受講歴】

・ 法職基礎講座[1期](大学 特修講座)

・ 司法試験予備試験法科大学院入試対策講座[2015](大学 特修講座)

・ 司法試験対策講座(実践編)[2016](大学 特修講座)

・ 司法試験対策講座(実践編)[2017](大学 特修講座)

・ 慶應義塾大学法科大学院入試対策ゼミ[2017]

【受講・合格体験記】

 

1.1年次の受講について

 1年次に法職基礎講座で7科目の基礎を教えていただきました。小テストで定義や判例の知識を確認する機会があり,インプットがメインの講座であったと思います。しかし当該講座での知識は答案を書く上で最低限の知識ばかりであり,1年次に受講しておくことで,論文へのチャレンジが早い段階でできました。私は1年次の夏休みに先輩たちと一緒に論文を書いて徳丸さんに添削と解説を行ってもらっていました。法科大学院で聞いても,1年次に7科目を一通り勉強し,論文を書いていた人は少数でした論文を早く書き始めると,書くことへの抵抗がないように感じます論文を書くためにはその前提知識が必要であるため,1年次に7科目の基礎を勉強できてよかったと思います。また予備試験を考えている人にとっても1年次にしっかり7科目学ぶことは重要であるように思います。法職基礎講座でいただいた資料はファイリングしてよく見返し勉強していました。自身でまとめノートを作る際にも使わせていただきました。

2.2年次以降の受講について

 2年次以降は論文メインの講座でした。1年次にインプットしたものを今度はアウトプットするものです。問題集や予備試験・司法試験の過去問を題材にして,ただ暗記しているだけなのか,理解しているのかがはっきりとわかり,課題も多く見つかりました。受講生で集まって時間を計って書き提出していたので,自身のその時々の実力を試すとともに,起案をする習慣がついて勉強のペースメイクになり良かったと思います

 また司法試験や予備試験の過去問を学部の間に一度でも解いておいてよかったと思います。私の要領が悪いのか,法科大学院で学部のとき程に時間をまとめてとって起案をすることがなかなかできていません。最終的に受験するのは司法試験であることから,出題形式や採点等を早いうちに知っておくことで,問題の読む際にどのような事実に注目して読むのか等を癖づけることができたように思います。それは法科大学院での講義やテストでも同様の視点が必要になることから,役立っています

 論文の添削は法科大学院でもしてもらえますが,講座のときの方が細かく添削していただいていたと思いますまた,法科大学院の教授によっては学説等で説明をなさる場合があります。講座では基本判例通説で,対立が激しい場合にも考え方と結論を示していただいていたことから,自身で復習・整理がしやすかったと思います

 講座は徳丸さんと弁護士の先生方2人に添削していただけるようになってから,指摘される場所等が異なり,自身の答案の修正箇所の発見がより多く見つかるようになりました。

 4年間の講座では,多くの問題を解いて論点に触れる以外にも,書き込んだ基本書やいただいた資料は法科大学院でも利用させていただいていますまた,4年次の講座で受講生同士,互いの答案を添削し合うものになりましたが,それも法科大学院では必要なものです。答案を見ておかしいところを指摘できることは,それを自身が理解しているからだと改めて思います4年次の講座で法科大学院に進学した後のことまで考えて添削を受講生に経験させ,指摘が足りないところは徳丸さんが補足で指摘をするという形をとっていただき,添削することの難しさも経験でき,実際にそれを法科大学院で行っていることを考えれば,学部で経験できてよかったと思います互いに答案添削をするといった点については,法科大学院で他の学生の方が学部で多くやっているように感じました。

 法科大学院の受験直前のゼミでは東京で合宿までしていただきました。過去10年間の問題から出題を予測していただきました。実際に直前にやっていた問題が出ていました。また短答知識を一気にまとめるゼミも行ってもらったこともあります。

 4年間,法律の勉強以外にも相談させていただいたことも多々あります。徳丸さんは,講義の先生という面だけでなく,同じ大学の卒業生としてもアドバイスいただけました1年次から法律を教えていただいているからこそ,私自身の性格や勉強の進展具合等を見てアドバイスしていただけ,私自身納得するところが多く,学習を続けられたと思います講座の内容はもちろん,勉強面以外でもサポートしていただけて感謝しています。外部の有名な予備校に通う必要性を感じることはなく,むしろそれ以上に充実した4年間を過ごすことができたと思います。

3.その他

 法科大学院に入れば,起案の時間を作るのが大変です。アウトプットの時間を自身で作らなければ,インプットしたことも忘れていってしまいます。私が今学部のときにやっておけばよかったと思うことは,司法試験や予備試験の過去問をもっと繰り返し解くことや,問題集を解くことです添削していただける環境は大切にして,自身も相手の答案の添削をさせてもらうと力がつくように思います

 また,短答の過去問は毎日解く習慣をつけていた方がいいと思います初めの1周は時間がかかるかもしれませんが,正答率の非常に低いものを省いていいと思うので,毎日解いていた方がいいです論文を書くときに役立つのは当然ですが,短答試験対策を日頃していた方が短期間に詰め込むことが難しいと思うため,日頃から自分で問題数を決めて取り組むべきだと思います

 一番重要だと思うのは,条文を丁寧に読むことだと思いますただ文言を読んで終わりではなく,「又は」「若しくは」等,条文の規定を整理してみると,簡単にわかる問題も多々ありました。これは短答にも大きく影響すると思います。長くて複雑な条文もあると思いますが,一度紙に大きく書き出してみたりして,自分なりの整理を行うことでその条文の構造は忘れないと思います。

 私自身まだまだ勉強している身なので偉そうなことは言えませんが,皆さんの学習に少しでも役立てばと思い,今考えてもっと早くやっておけば良かったと思うことを述べさせていただきました。

 

※ 2019年2月にご寄稿いただきました。

 

【コメント】

 Mさんは,同期の中でもいち早く起案の型を身に付けていたなという印象です。特に印象的だったのは,入門講座後のゼミスタイルの講座が始まった頃,入門講座と同様に刑法からスタートして起案課題を出していたのですが,講座や添削を重ねるごとに起案の大枠をつかんでいっている印象でした。そして,これは私(取締役)自身が一方的に羨ましがっている(笑)のですが,Mさんのすごいところは,起案の執筆スピードが速く,しかも字が信じられないくらいキレイというところです。一般的には,制限時間内で起案をする際,スピードを上げれば上げる程,字が反比例して読みにくくなりやすいのですが,Mさんは最後の一字まで本当にキレイでした。これは,学習面とはまた違った意味で一朝一夕で身に付くものではないので,事実上,手書きの論文式試験ではプラスに働くはずです。もちろん,形式面だけでなく,講座内の双方向のやり取りでも,自分の考えをきちんと順を追って答えていましたし,わからない問いでも,少しヒントを出せば,何とか自分の頭で考えて発言しようと努力していました。また,いろいろ学習過程で不安を感じることもあったようですが,悩みや疑問がれば,個別の質問や面談等を通じてハッキリとさらけ出してくれていたので,こちらとしてもアドヴァイスがしやすく,気持ちを切り変えて学習に臨む姿勢もまた印象的でした。その結果,本人が志望していた中央大学法科大学院に合格することができました。

 Mさんは,現在(2020年8月時点),中央大学法科大学院を修了し,いよいよ司法試験に挑むことになります。是非,合格して欲しいという気持ちですし,彼女もまた,面倒見が良い人柄なので,そういった優しさも活かした法曹になってもらえることを心から祈っております!

 

                       [コメント:取締役 徳丸 祐治]