【ご報告】令和5年 司法試験合格発表

 本日、令和5年司法試験の合格発表がありました。

 

 新日程・新体制(在学中受験スタート)下での初の本試験となりました。まずは、立春のこの日にサクラサク「1781人」の皆様、合格おめでとうございます!

 

 そして、弊社の個別コーチ起案添削コーチなどをご利用いただいてくださっていた皆様からも合格のご報告をいただきました。

 

 今年は、9名中6名合格(66.7%)の結果となりました!㊗

※ 受験と結果のご報告をいただき、かつ、中国新聞掲載の合格者名簿でご氏名を確認させていただいた情報に基づいております。

 

 合格者の皆様、改めて本当におめでとうございます!🎉

 

 なお、内訳は以下のとおりとなっております。

 

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法科大学院修了生:6名中4名合格

法科大学院在学生:3名中2名合格

合計:9名中6名合格

※ なお、上記のうち、司法試験受験資格喪失後、再度法科大学院に入学された方(以下「再ロー生」といいます。)が2名いらっしゃり、2名とも合格されています(1名は修了生、1名は在学生です。)。

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 昨年も述べさせていただいたことになりますが、昨今、司法試験の合格者数や合格者“のみ”に着目し、心無い言葉やSNSの投稿を見かけることが少なくなく、そのような言動を目にする度にとても悲しい気持ちになります。

 

 しかしながら、司法試験合格という一つの結果やチャンスの機会をもぎ取ることができたのは、紛れもなく受験生の皆様お一人おひとりの努力の賜物ですので、是非胸を張って「司法試験合格しました!」と報告をしてください。

 

 司法試験という国家試験は少し特殊で、誰でもいきなり受験ができるわけではなく、受験資格が必要になります。その資格を得るためには、司法試験予備試験に合格するか、法科大学院に入学して在学中受験要件を満たすか、法科大学院を修了することが求められます。

 

 そして、司法試験予備試験の最終合格は、皆様ご存じのとおり、中々狭き門ですし、法科大学院入試につきましても、法曹コースのスタートによる一般受験枠の激化、(予測に基づきますが、)在学中受験を意識してか、そもそもの入試倍率も上がっている印象です(特に、社会人受験生をメインにしている、日本大学筑波大学などはより厳しい状況になっているように推察されます。)。法科大学院ルートの場合には、在学中受験に必要な単位の取得、進級要件のクリアなども必要になります。

 

 一所懸命に勉強をし、このような様々な試練を乗り越え、さらには、経済的工面やご家族など周りの理解を得て、やっと司法試験を受験に辿りつくことができます。しかも、あの長い試験期間・時間を乗り越えているのですから、まずはそこまでやり遂げられた皆様の努力に脱帽し、称賛せずにはいられません。

 

 これだけの努力をしたうえで、司法試験合格という一つの結果をもぎ取ることができた皆様は、それはもう胸を張って合格者らしく振る舞ってください!

 

 上記の経験を踏まえて、時には寄り添い、時には厳しく、続く受験生の皆様にエールを送っていただければ幸いです。

 

 一方で、今年も「残念でした。」というご報告もいただきました。まずは改めて、受験お疲れ様でした。辛い気持ちの中ご報告をしていただき、感謝と悔しい気持ちでいっぱいです。毎年のことではございますが、我々なりに精一杯このお仕事をさせていただき、少人数ながらも確実に合格者を輩出させていただくことができておりますが、それでも合格率100%には中々できないのが辛いところでもございます。ご本人はもちろんですが、こちらも本当に悔しい気持ちでいっぱいで、あと一押し何か余計なお世話ができなかったのだろうかと悔やむ気持ちも同時に感じております。

 

 昨年は、大学受験に上手くいかず、決して客観的な偏差値が高いとはいえない大学でも、きちんとした道筋を立てて、真摯に努力を続ければ、少し時間はかかってしまうかもしれないが、高い確率で司法試験合格をもぎ取ることができる、などのお話をさせていただきました(昨年のご報告・総括記事はこちらです。)。今年は、少し別の視点から雑感を述べさせていただければと存じます。

 

 今年の結果で、我々が(勝手に)特に感慨深くなったのが、やはり、再ロー生の再チャレンジです。現在、弊社の個別コーチ・起案添削コーチでは、1周めの司法試験チャレンジが功を奏さず、受験資格を喪失してしまったものの、夢や目標を追い求めてもう一度チャレンジされている方をサポートさせていただいております。

 

 上記の今年の結果からも読み取ることができますが、1周めの司法試験チャレンジに失敗してしまったからといって、適性がないなどと安易に判断されてしまうのはあまりに不幸であり、結論から申し上げれば、全くそんなことはないと存じます。

 

 たしかに、そもそも勉強に関して努力をしない、敗因分析をせずに改善しようとしないなど、何度も同じ失敗をしてしまう方はいらっしゃると思います。しかし、それは個人の問題であり、再チャレンジされる方全員が同じ一つの括りにされ、しかも心ない言葉の暴力を浴びせられるのは、やはり違うのではないかと存じます。

 

 それでは、再ロー又は司法試験予備試験経由で再チャレンジされる方が、同じ失敗を繰り返さずに成功体験をもぎ取るためには何が必要でしょうか。

 

⑴ 気力と努力

 「おいおい、いきなり精神論かよ。」と言われてしまいそうですが、とにもかくにも、まずは気力と努力は絶対的に必要になります。どんなに優秀な方でも、司法試験に合格するには、最短で約2年半の期間が必要になります。最も層が多いと思われる、学部生→法科大学院生(既修者)のルートであれば、約5~6年半の期間が必要です。そうすると、再ロー又は司法試験予備試験経由で再チャレンジをされる方は、通常、既に約10年前後の時間を消費しているのですから、ここからさらにプラス2年以上司法試験に向けて再度勉強をしていかなければならないとなると、相当な気力が必要になります。

 

 そして、気力だけでどうにかなる試験であればまだマシであったかもしれませんが、適切な道筋に沿って行うことを前提に、継続的な努力が必要になります。短答式試験過去問はコツコツ解かなくてはいけませんし、論文式試験対策については、1問1問起案するだけでも相当な努力が必要になります。再ロールートの方は、正課を上手にこなす努力も必要になります。

 

⑵ 素直さと分析・実践力

 再チャレンジするにあたって、いきなりやみくもに勉強を開始しても、同じ失敗をしてしまう可能性が高いです。まずは、敗因分析を行い改善点やタスクの洗い出しを行い、これらを基に計画を立てて実践し、定期的にその調整を行う、という一連の流れが必要になります。

 

 そのためには、自己分析と他己分析を総合考慮することが大切になります。自己分析だけで上手くいくのであれば、これまでにできたはずであるため、再チャレンジのスタート時点では、特に他己分析を踏まえることが重要になります。

 

 他己分析をするためには、必ず自分以外の協力者が必要になります。ポイントとしては、自分自身で本当に信頼できる人を見つける、その際に、少し厳しく聞こえるかもしれませんが、他者のせいにしない、もしその協力者の意見などが参考にならないのであれば自己責任であると引き締めることが肝要です。

 

 また、協力者の人数は、(最終的に)自分にとって本当に信頼できる2~3人程度にしておくのもポイントです。他者からのアドヴァイスは、共通する部分(例えば、過去問分析が重要など)もあれば、個々の経験・視点を踏まえたオリジナルの部分もあります。その協力者の方のアドヴァイスが、自分に合ったアドヴァイスであるかを迷わずに判断することもまた自己分析の一環ともいえます。

 

 そして、他己分析を受ける際には、自分の思っていたことと違うことや耳が痛くなるようなことなどもあると思いますが、自分が信頼できると判断した方なのであれば、一度素直に受け入れて、他己分析を自己分析に取り入れていくことが肝要です。なお、ここでいう素直な姿勢とは、受け身一辺倒の受動的な姿勢という意味ではない点に注意が必要です。素直さは重要ですが、それだけでなく、能動的、時には批判的に考えることが重要です。

 

⑶ 経済的工面・周りの理解

 何事もそうですが、上記のとおり、司法試験を受験するためには、試験の性質や難易度もさながら、受験資格を得るためのプロセスが必要である以上、やはり経済的工面を要するのは避けられません。そのためには、預貯金を切り崩す働きながらチャレンジする一度働いて預貯金を増やす奨学金を活用する専門職大学院における教育訓練を活用するご家族などにサポート又は融資してもらうなど、様々な方法があります。特に、法科大学院ルートで再チャレンジする場合には、法科大学院奨学金制度にも着目してみるとよいと存じます。

 

 また、言わずもながですが、再チャレンジをされる段階では、そこそこの大人になっていますので、ご家族・ご家庭をはじめとする周りの方の理解や協力もより大切になってきます。長期間のチャレンジになるため、支えてくださる方いらっしゃるのであればこんなに心強いことはございません。そのためには、皆様ご自身が、その大切なご家族などにもう一度司法試験をめざすにあたっての説得的なプレゼンをすることが求められます。そして、このときに気をつけなければならないのは、皆様のことを何一つ親身に思っていない他人・外野の意見は、無視ないしスルーしましょう。特に、匿名投稿やSNSを通じて一方的な罵声を浴びせてくるような方は正直皆様にとって害以外の何ものでもありませんので、できる限り視界や耳に入らないように自己防衛することも重要です。

 

 以上の3つ以外のポイントももちろんございますが、まずはじめにお伝えするとすればこれら3つかなと思い、記させていただきました。

 

 なお、以上の3つのポイントは、再ロー又は司法試験予備試験経由で再チャレンジする方だけでなく、2回目~5回目の司法試験に再チャレンジされる方にとっても共通するポイントになると思います。

 

 これから再チャレンジに向けて再始動される方は、真っ先に、自分にとって信頼できる相談相手を探してください。法科大学院の教員、実務家、法科大学院の先輩・同期、司法試験予備校の講師など、皆様の周りには、皆様のことを本当に親身になって相談に応じてくださる方々が必ずいらっしゃるはずです。

 

 それでも、中々相談相手が見つからない、来年以降の本試験まで継続的にサポートしてくれる人が見つからない、セカンドオピニオン的な意見も欲しいなどのご事情があれば、独りで悩まず、弊社の面談サービスもご検討いただければ幸いです。

 

 面談サービスは、本来は、個別コーチの検討をしていただいている方を前提としたサービスではございますが、建前上は、個別コーチを利用するか否かの判断も含めて事前面談でご判断いただくことも狙いですので、面談サービスを利用したからといって、弊社のサービスを必ずご利用いただく必要はございません(こんなことを言ってしまうと、経営者としては本当に素質がないのですが・・・(^^; 苦笑)。それゆえ、学習相談目的の面談のみの利用でも全然OKです!

 

 なお、年末頃まで実施予定のサービスではございますが、新規様向けのお試しキャンペーンも実施中ですので、面談だけ求められる方も、その先のコーチングも含めて検討したいという方も、お気兼ねなくお問い合わせください!

 

cf1. 個別コーチについてはこちらです。

cf2. 起案添削コーチについてはこちらです。

cf3. 【期間限定】個別コーチ・起案添削コーチの新規お試しキャンペーンはこちらです。

 

 昨今、司法試験予備校だけでなく、実務家の方、合格者の方、合格発表待ちの方、弊社のような資格取得支援事業を行っている方など、様々な方がサポートを実施しており、皆様にとっては、選択肢がたくさんある一方で、どこのどのサービスを選択しようかが迷ってしまうこともあると思います。最初からその選択肢を1つに絞る必要はございませんので、気になったところの無料相談やお試しサービスなどを利用してみて、最終的に自分に合う方やサービスを見つけていただければと存じます。これもまた、自己責任の下、能動的に、時に批判的に行動してみることの1つとして重要です。

 

 以上になります。今年も長い総括になってしまいました(^^;

 

 最後までお読みいただき、ありがとうございました!