【受講・合格体験記】O.F さん

 【氏名】

 O.F さん

【大学】

 大阪経済法科大学 法学部 法律学

法科大学院

 立命館大学法科大学院 修了[法務博士(専門職)]

【合格実績】

 2016年1月 行政書士試験 合格

 2017年9月 立命館大学法科大学院 合格(授業料全額免除)

 2017年9月 甲南大学法科大学院 合格(授業料全額免除)

 2021年1月 司法試験 合格[2021.1.20 追記]

【主な受講歴】

・ 法職基礎講座[1期](大学 特修講座)

・ 法職基礎講座[3期](大学 特修講座)

・ 司法試験対策講座(実践編)[2017](大学 特修講座)

【受講・合格体験記】

第1 受講講座について

1.法職基礎講座[1期]

 大学に入学する前から何かの特修講座を取ろうと思っていたので,簡単そうな法職基礎講座を取ろうという軽い気持ちで,この講座を取りました。特に復習もすることなく講義を受けていだので,講義についていけなくなって,すぐにやめてしまいました。

2.法職基礎講座[3期]

 2014年度法職基礎講座の反省をこめて,12月頃に始まる行政書士講座を取り,2015年11月の試験に無事合格することができました。そして,これを踏み台にして司法試験の合格を目指そうと思い,法職基礎講座を再度受講することにしました。

 講義を受けるまでは,基本書を読むのは自分でできると思っていたので,自主勉強の補完になる程度だと思っていましたが,違いました。講義の方式は,徳丸先生が,法律の本当の基礎の話をしてから,指定の基本書・レジュメを読み進めながら解説をし,マークすべき箇所を指摘する等というものです。これらは,自分でもできることだとは思いますが,法律という身近に触れることがないものの勉強を続けるためには,とても根気が必要だと思いますので,この点のハードルは,講義を受けていれば乗り越えることができます。それに,わからないことがあれば講義後に徳丸先生に気軽に質問できることから,勉強につまずくことがなかったです。

 また,徳丸先生の話すスピードは少し早いので,講義中にボーってしていたら,基本書の何ページの話をしているかわからなくなるので,意識的に集中して話を聞くことで,自主勉よりも効率よく基本書の内容を理解することができます。徳丸先生は重要な箇所を重点的に話をしてくれるので,自分で復習するときにメリハリができ,とても良いと思います。

 さらに,論文対策にかなり使えるようなレジュメの内容はとてもよかったです。僕は,復習の際には,基本書を読むということが嫌いだったので,配布されたレジュメだけを,ほぼ完璧に覚えることだけしていることが多かったです。それだけで,論文問題を解けるようになっていきました。

 小テストでは,知識の確認というよりかは,必ず覚えないといけない定義や論証を覚えているかを問われました。また,テストの点数の順位がつきました。この小テストがあったおかげで,他の受講生に負けたくないという気持ちを持てて,復習を根気よく続けることができ,気づけば,かなりの定義などを覚えていました僕の性格だと講義後の復習がさぼりがちになって,講義内容をすぐに忘れるものだと思っていましたが,小テストのおかげで復習しなければと思うことができ,特に苦労することなく定義などを暗記することができました。小テストとレジュメがあったからこそ,翌年の司法試験対策講座の選抜試験に合格できたと思います。 

 あとは,個人面談があったので,自分に合った勉強方法を一緒に考えてくれました僕は,2017年にロースクールの受験があったので,論文対策と基本書などの知識を覚えることを両立しなくてはいけなくて,論文対策がおろそかになっているのではないかという不安があったのですが,この不安を解消することができました勉強をあきらめようかなって悩んだりしたことが特になかったのも,個人面談のおかげだと思います

 これらが僕にとって特に役立ったことです。

3.司法試験対策講座(実践編)

(1)刑事系科目

 刑事系科目は徳丸先生が担当していました。講座がない日に,あらかじめ受講者が空き教室などに集まって,司法試験の過去問(2科目)を時間を測って解き,講座の日に先生が解説するものでした。

 講座の内容は,司法試験の過去問の論点や基本事項,法務省がホームページで出している出題趣旨,採点実感,その年に合格した人の再現答案,徳丸先生が作った答案例を確認し,答案がどの部分がどのように点数に影響するかだったり,答案の書き方だったりの解説をしてくれました。その後に,受講生皆が書いた答案を皆に配り,一人ひとり添削してくれるというものでした。

 皆の前で自分の答案の添削がされるのは嫌だったのですが,2回目の講座の日には慣れていました。3時間の時間で多くのことをするので,講座はとても忙しかったのですが,集中して講座に取り組むことで,とても自分のためになりました。

(2)民事系科目

 民事系科目は,弁護士の方が担当していました。弁護士の仕事をしながら,答案の解説をしてくれるので,答案例などはなかったです。なので,問題を解いた後には自分で出題趣旨や採点実感をみる必要がありました。でも,出題趣旨を踏まえて解説していたと思いますので,軽く目を通すだけでも足りました。

 講座の進め方は,論点などの確認とその論点までの道筋を解説して,答案の添削をするというものでした。

 特に民法は,要件事実に沿って解説してくれたので,問題文をみても何を書いたらいいのかわからない時でも要件事実から考える癖をつけることができて,とても有益なものでした。

(3)公法系科目

 公法系科目は,弁護士の山口先生が担当していました。講座の進め方は民事系科目の場合と少し違って,初めに,問題の解説をはじめにするのではなく,受講生にどういう問題なのかなどの質問をして,講座を進めていく感じだと思います。

 僕は,特に憲法は,答案の書き方がよくわからなかったり,自分の考えを上手く表現することが苦手なので,先生からの質問の受け応えや,他の受講生の受け応えを聞いたりしていくことで憲法の答案の書き方や書く内容を理解していきました。これにより,憲法の苦手が少し解消されました。また,憲法は,判例を踏み台にして答案を書くといいますが,僕はそれができなかったので,判例をわからなくても答案を書けるようにしようと思っていました。山口先生の授業の進め方が,この点をある程度解消することにつながったと思うので,とても自分にとって良かったです。

第2 その他

1.僕の学習方法

 刑法については,講座を受ける前に,かなり薄い予備校の本を見て,ある程度理解できたら,すぐに短い問題がたくさんあって,参考答案が載っている演習書をこなしました。分厚い基本書を読んでいても楽しくないという理由と論文の書き方と論文の骨格をある程度覚えられるし,こういう事実があればこの論点を書くんだということを覚えることができますし,あと再現答案があるので,論証をある程度覚えることができると思ったからです。

 法職基礎講座[3期]を取ってから司法試験対策講座を取るまでは,講座で配布されたレジュメに書いてある重要そうなところと,基本書のマークを引いたところを,ノートに丸写しをしながら暗記をしていましたそして,暗記は3日くらいに分けてしていました。1日目はノートを作りながら,ある程度覚えるレベルで,2日目はノートに書いたことを,印刷用紙などに字を大きくして書いていきましたその際に,文字を書くというだけの作業にならないために,常に覚えることということを意識しながら,早すぎず遅すぎないスピードで書くようにしていましたそれで,文章の覚えにくい単語の部分だったり,キーワードなどに,○で囲ったり線を引いたりして,完璧に丸暗記をしていました3日目は,ただ見直すくらいのことを3回くらいしていました暗記が終わって時間が余ると問題演習をちょこちょこする感じでした

 その他の科目も同じように勉強していましたが,民法だけは,特に理由はないのですがスタンダード100という演習本にも力を入れて取り組んでいました。とりあえず覚えるために,文字にマーカーを引きまくりました。マーカーを引いたほうが覚えやすいと感じていたからです。マーカーだらけになるくらい引いていました。

 2017年の春からは,司法試験対策講座を受けながら,基本書を読んでいました。それくらいしかしていなかったと思います。

2.僕の体験談

 法職基礎講座[3期]を受講してから2017年の春までは,多少講座をさぼっていたりしましたが,熱心に勉強に取り組んでいました。僕はお酒を飲むのが好きなので,3日に1回以上お酒を飲んでいました。勉強していても友達からの飲みの誘いがあれば,勉強を中断して飲みに行っていました。それでも思っている以上に勉強がはかどっていました。

 2017年の春からは,勉強の計画を立てていなかったのもあり,勉強のモチベーションを保つことができなくなったので,前年と比べて勉強時間がかなり減りました。とても,時間を無駄に使っていたと思います。

3.伝えたい事 

 僕は,大学に入るまで小説すら読みたくないほど文字を見るのが嫌いでしたまた,勉強も2日続けば良い方でしたでも,決めたことができない自分が情けないと思って,200ページくらいの民法の本を,理解しようと思わずにただ読むということをしようと考えましたそれで何とか1週間くらいでその本を読み切れましたそれから,2週目も行けそうだなと思って,2週目もその本を読み切れきることができましたこれがきっかけで自然と好き嫌いせずに勉強をし続けることができるようになっていきましたまた,勉強はしたいときだけするようにして,勉強を嫌いにならないようにしていました僕が現在ロースクールで頑張れているのはこんな些細なことが理由なので,簡単にはあきらめないでほしいです

 また,勉強の内容がわからないからしんどいと思う時もあると思います。でも,今は携帯やパソコンで調べてわかりやすく解説しているものをすぐ見つけることができます。僕は,ロースクールでレポートを作らないといけないときは,図書館に行かずに,暇なときに携帯で調べまくってからレポートを作っています。なので,勉強の内容がわからないときは,基本書を読んだり,図書館などで調べるたりするのがしんどい人は,暇な時間に携帯で調べるのがいいと思います。

 

※ 2019年2月にご寄稿いただきました。

 

【コメント】

 Fさんのすごいと感じたところは,与えられた課題をきちんとこなすところでした。入門講座では,毎回又は隔回で,小テストを実施しており,受講生全体の出来が悪い問題については,何度か再出題することもあったのですが,Fさんは,まず1回目で平均して高得点をとっていただけでなく,間違えた問題も再出題の時点ではほぼ完ぺきに書けるようになっていました。これは,当たり前のように見えて決して皆がそうではないところです。司法試験に向けた学習は,定義や趣旨,判断枠組み(規範),論証等の暗記が最低限は必要になってきますし,そこができていないと起案が全くできないことになってしまいます。Fさんは,起案の土台になる最低限のインプットを完璧にこなしていた点で,一つ大きな強みを持っていたと思います。また,講座内で双方向スタイルを行う際に,自分がわからない問いがきても,何かヒントを与えれば,必ず自分の頭で考えて答えていた印象もあります。体験記で述べられているように,Fさん本人は,法科大学院入試に間に合うか不安もあったようですが,先に述べたような努力の結果,授業料全額免除で,甲南大学法科大学院立命館大学法科大学院にそれぞれ合格することができました。

 Fさんは,現在(2020年8月時点),立命館大学法科大学院を修了し,いよいよ司法試験に挑むことになります。最近,近況を聞くことができていないのでどうしているかなぁ,と思っておりますが,是非,合格できることを心から祈っております!

 

                       [コメント:取締役 徳丸 祐治]