【氏名】
下村 拓矢 さん
【大学】
【職業】
非公開
【合格実績】
2021年1月 行政書士試験 合格
2021年8月 立命館大学法科大学院 合格(学費全額免除(A奨学金))
2021年8月 関西学院大学法科大学院 合格(学費全額免除)
2021年9月 同志社大学法科大学院 合格(学費全額免除(第1類奨学金))
【個別コーチのご利用内容・感想など】
1.個別コーチ利用に至るまで
私は,個別コーチを利用する2020年10月までは,他の大手通信予備校を利用していました。もっとも,非法学部出身で学部の成績も極度に悪かったため,「全国どこかの法科大学院に引っかかればラッキー」と思いつつ勉強をしていました。
法律7科目のインプットを何となく終えて,11月に論文試験の勉強に取り掛かったところ,民法の基礎問題1問目で一文字も書けないという事態に陥りました。勉強したはずの知識がアウトプットできない。そもそも答案の型がわからない。それまでの勉強方法が根本的に誤っていたと痛感しました。
当時利用していた予備校では答案添削の講座を受講していなかったため,このままでは法科大学院の合格は不可能であると思い,藁にもすがる思いで論文対策に適した予備校を探しました。そのような中,予備校とは異なりますが,すずかけLabo.という資格取得支援事業を行っている会社を見つけました。ブログなどを読んだ際に,何名もの法律初学者を難関法科大学院,そして司法試験合格へと導いた実績に惹かれ,また受講者の募集枠が残り少なかったこともあり,即座に面談の申し込みをしました。
担当の徳丸さんと面談をさせていだだき自分の現状を話したところ,「まだ間に合う」との言葉を貰いました。進学を諦めかけていた私は,この言葉を信じてみようと思い,個別コーチの利用を決意しました。
2.個別コーチの内容・経験
毎月4回から6回,1回あたり60分または90分という形態で,2020年11月4週目から2021年11月3週目まで,1年間個別コーチを利用しました。
事前に論文式試験過去問の課題が選定され,前日までに答案を提出し,個別コーチ内で双方向による添削と解説及び関連知識の講義をしてもらいました。個別コーチは,徹底した質疑応答形式で,自分の足りない知識を浮き彫りにしてくれます。私は,入試直前期までなかなか先生からの質問に解答できず,毎度悔しい思いをしておりました。それが復習のモチベーションになっていたと感じています。
個別コーチでの添削では,答案の型,特に条文の指摘や法的三段論法の遵守,メリハリをつけるように染み込ませてくれるため,未知の論点が出た際の対応力も身に付きました。
個別コーチ開始時は,起案課題の提出にかなりの労力を費やしました。最初の課題は,制限時間が60分であったのにも関わらず,3時間半もかかってしまったことを鮮明に覚えています。そのような状態から,国立入試の直前期には「制限時間内で如何に上手く書くか」と考えながら,課題を楽しむことができるまでになりました。
論文式試験の問題は,ある程度の量を書かないと成果が出ないものであると思っています。私は個別コーチで80通ほどの課題を提出しましたが,「書けるようになってきたな」と感じるまでに40通はかかりました。入試一発目の立命館の1ヶ月前にやっと立命館・関西学院の合格ラインに乗った実感がありました。論文は独学だと逃げがちになってしまうため,強制的に論文を書く機会を提供してくれる個別コーチは大変助かりました。
個別コーチで扱った問題と授業のメモは各科目ごとにファイリングをし,復習に役立てました。同様の事例問題が出たときの対策として,問題と解答を読み直し,授業のメモを参考に論証を作り直したりしていました。
各法科大学院ごとに科目の配点や出題論点の傾向に差があるため,志望度の高い法科大学院の傾向と対策を教えていただきました。受験校を取りこぼすことなく合格できたのも,傾向と対策を怠らなかった点が大きいと思います。
【自分の学習方法や経験談など】
1.自分の学習方法
個別コーチで扱った問題で理解が曖昧だった部分は,六法の関連する条文の横に書き込み,条文素読をしつつ覚えていました。定期的にファイリングした問題・解答とメモを,個別コーチの内容を思い出しながら読み直しました。
個別コーチ以外の学習としては,11月から1月までは以前利用していた予備校のテキストを読み直し,2月から入試にかけては市販の事例問題集を解いていました。問題集は論点の反射神経力を鍛えるものと位置付けて,起案は一切せず,頭の中で条文と論点を想起する訓練としていました。国立入試までに7科目を4周したことで典型論点に対応できる力を得ることができました。
2.受験の体験談
高校入試や大学入試,公務員試験等で,ポテンシャルがあっても試験への緊張感や不慣れさから失敗してしまう人を幾度となく見てきました。そこで私はできるだけ多くの法科大学院を受験するという戦略を取りました。個別コーチは時間の関係上,多くても1回で2科目という制約があるため,最大7科目を行う入試への対応力は入試でしか得られないと考えていました。
案の定,初戦の立命館では緊張感もあり,4科目めの商法で途中答案となってしまいました。ここでの失敗が後に生きてきました。時間内で何を書き,何を切るか。これを本能的にできるようになり,残りの7校では全科目途中答案することなく書き切ることができました。早稲田以降の入試では緊張感による萎縮も無くなり,入試の雰囲気を楽しみつつ受験できました。もし,受験校を本命2,3校に絞っていたら実力を出し切れていなかったと思います。
3.今後のご利用者の方々へ
私はまだまだ法律を学び始めたばかりの初学者であり,2年後の司法試験に向けて一層の努力をしなければなりません。しかし,一度自分なりの勉強方法が掴めれば,あとは合格から逆算して長期的な計画を立てることができます。個別コーチはその道筋を示していただける点が非常に優れていると思います。
司法試験は,法曹になるために膨大な時間を費やすことが必要な試験ですが,目指す価値は充分あると考えています。長い道のりを迷わないための1つの手段として,個別コーチをはじめとする個別指導の利用も検討してみると良いかと思います。
※ 2021年12月にご寄稿いただきました。
【コメント】
下村さんの長所は,タフさと出力の高さにあると思います。法科大学院入試を決断してから約1年間の間に,個別コーチや自習で書き上げた起案の数は,他の受験生と比べて相当多くこなされていたと思います。下村さんご自身が,上記体験記の中で「書けるようになってきたと感じるまで40通はかかった。」と語られているように,実際に論文式試験の問題が解ける,書けると感じるためには,(もちろん,質も大切ですが,)ある程度の量をこなすことも肝要であるため,目的意識を持った起案の数をしっかりとこなしたことが,法科大学院入試に7校連続で合格された要素の1つだと思います。また,実際に起案を添削していて感じたのは,出力が高い,すなわち,文量が多いという点です。もちろん,たくさんの文量を書けていても,内容が伴わなければいけないのはその通りなのですが,一定の文量があるということは,出題の意図に触れたり,加点要素に言及できたりする可能性も相対的に上がると推測されますので,この点も下村さんの強みであると感じました。
下村さんは,次年度から,志望校の法科大学院へ進学し,最短で在学中に司法試験を受験していくことになります。下村さんのタフさに加えて,もっと良い起案を作成したいという意識の高さから,今後更なる起案力の向上をめざしていただき,来る司法試験の合格を果たされることを願いつつ,今後とも応援しております!
[コメント:取締役 徳丸 祐治]