【受講・合格体験記】林 章太郎 さん

【氏名】

 林 章太郎 さん

【大学】

 大阪経済法科大学 法学部 法律学

法科大学院

 慶應義塾大学法科大学院 修了[法務博士(専門職)]

【合格実績】

 2016年 9月 中央大学法科大学院 合格(飛び級合格)

 2017年 9月 中央大学法科大学院 合格(授業料半額免除)

 2017年 9月 早稲田大学法科大学院 合格

 2017年 9月 慶應義塾大学法科大学院 合格

 2022年 9月 司法試験 合格[2022.9.6 追記]

【主な受講歴】

・ 法職基礎講座[1期](大学 特修講座)

・ 司法試験予備試験法科大学院入試対策講座[2015](大学 特修講座)

・ 司法試験対策講座(実践編)[2016](大学 特修講座)

・ 司法試験対策講座(実践編)[2017](大学 特修講座)

・ 慶應義塾大学法科大学院入試対策ゼミ[2017]

【受講・合格体験記】

第1 受講講座について

1.法職基礎講座[1期]

 本講座は,約1年で7科目を一通り勉強するというもので,法律を初めて学び,かつ,勉強に慣れていなかった私としてはかなりハードなものでした。しかし,今振り返ると,この本講座の内容をきちんとこなした者が最終的には難関法科大学院に合格していることから,本講座で司法試験や法科大学院入試に必要な知識をつけることができたのだと思います。

 また,本講座がペースメーカーとなり,勉強をする習慣をつけることができたのが大きかったです司法試験に合格するにはどれほど勉強しないといけないのか身をもって感じることができ,このペースについていけない者は司法試験合格など程遠く,別の道を歩むべきなのだと自分に言い聞かせて必死に勉強していたことが今に繋がっていますこれに関連して,本講座についていけない者は早い段階で司法試験以外の道を選択することができたと思うので,この点でも非常に意味のある講座だったと思います。

2.司法試験予備試験法科大学院入試対策講座

 本講座は,事前に受講生で答案を書き,その問題についての解説を行い,適宜受講生に足りない知識があった場合は,講義を行うというものでした。私は,本講座を受講するまでは,ほぼ答案を書いたことがない状態でした。しかし,本講座での的確な答案指導を通して,自分なりの答案の型を身につけることができましたこれは,少人数での講座であったことに加えて,講師の参考答案,受講生の答案を配布することで,それぞれのいい部分を参考にできたのが影響していると思います。

 また,講座の内容もさることながら,本講座を受講するための選抜試験も私にとっては非常に大きかったです選抜試験は,司法試験の問題に近い形式のものであり,点数と順位が明確になるので,勉強に対するモチベーションに繋がりました実際に,第1クールの試験を受けた際は,受講生の中で最下位だったのですが,その結果をうけて今までの勉強方法を見直し,答案練習中心の勉強に変更したことで,第2クールの試験の際には,良い成績をとることができました大学4年間で,本講座を受講していた1年が最も実力がついたと思うので,これは,本講座に加えて,受講するために試験があったことによると感じています

 受講するために選抜試験があるのは,これから勉強を頑張ろうとしている者の道を塞ぐことになるおそれがあるため,否定的な意見もあります。しかし,選抜試験に落ちた者はそこで終わりではなく,本当にやる気があるなら次回こそはと必死に勉強するはずであり,選抜試験に落ちたことから腐っていくような者にそもそも司法試験合格は不可能だと思うので,受講するために試験を設けるということは,今後を見直す機会として意味のあるものだと思います。

3.司法試験対策講座(基礎編)

 本講座は,司法試験予備試験の過去問演習を中心に行われました。その中でも,実務基礎科目についての講義が有益でした。実務科目については,弁護士の山口先生が教えてくださり,問題に対する解答だけではなく,実務上重要な関連事項についても適宜解説するというものだったので,より実務の感覚に近い思考を身につけることができましたまた,通常,学部ではこのように実務家に教わる機会というのはほぼ無いに等しいので,学部時代から実務家に教わることができる点で,他にはないものであると思います。

 本講座では,司法試験予備試験の全年度の過去問を扱ったので,その分答案を書く機会も多く,時間配分や答案のメリハリをどのようにつけていけばよいかを参考答案等を踏まえて考えることができました。

4.司法試験対策講座(実践編)

 本講座では,法科大学院入試対策として,法科大学院入試の過去問演習と司法試験の過去問演習をしました。本講座から,弁護士の先生が講師としてもう一人加わり,3人体制で各講師の得意分野を担当するというものであり,これまでの講座では得ることができなかった思考や答案の書き方を学ぶことができました。

 また,司法試験の過去問を法科大学院に入学する前に扱うという点で,これからどのような問題を解くために法科大学院でどのような勉強をしていけばいいのかを考えることができたと思います

第2 法科大学院での学修との関係性について

 まず一番に言いたいのは,各講座は法科大学院に入学することを目的としているのではなく,司法試験に合格することを目的としているのであり,講座での知識が法科大学院で通用しないのなら,それは,司法試験に合格するという目的にそぐわない内容であったということです。この点について,私は現在慶應義塾大学法科大学院に在学していますが,指定されたテキストと共に講座で配られた資料やメモを基本として法科大学院の授業に臨んでいますもちろん,新たな発見や今までの思考が少し異なっていた部分はありますが,春学期を終えて,上位15%程度の成績をとることができているので,講座で学んだものは司法試験合格を目指すうえで間違っていなかったと実感しています

 また,これに関連して,講座を通して約100通の答案練習をしてきたことが,このような結果に繋がっていると考えています大学院内には予備試験の論述に合格するような者が多数いますが,それらの者であっても,予備校でこのような数の答案練習をしてきていないのに対し,講座では,実践的なことをかなり早い段階から行っており,他の予備校に負けないほどの内容であったといえます

 このように,講座は法科大学院入試だけではなく,その先を見据えた内容であり,司法試験合格という目的に合致するものであったと感じています。

第3 その他

 私の学年は,唯一4年間を通して講座を受けることができたことから,私たちの結果が各講座の実績を示すものだと考えています。というのも,確かに各講座は素晴らしい内容ですが,1年受講しただけで劇的に実力が伸びることは考えづらく,4年間しっかりと受講することに意味があると思うからです。このことを踏まえると,私の学年は,過去に例がなかった東京の難関法科大学院に多数合格しており,各講座がいかに有益なものであったかを示しています。

 このことから,これから講座を受講することになるかもしれない後輩には,4年間しっかりと本講座のレールに乗っていれば,経法大からでも十分に難関法科大学院に合格し,その先の司法試験合格をめざすことができるということを伝えたいです。ただ,4年間講座を受講することは,それ相応の決意と努力が必要であり,そのような意思を持つ後輩にはぜひ本講座の受講を勧めます。

 

※ 2019年2月にご寄稿いただきました

 

【コメント】

 林さんの強みは,自分流に講座を上手に活用していたところです。多くの受講生がやってしまいがちな,受けっぱなしの受動的なスタイルではなく,講座を能動的に利用していました。おそらく,そのスタイルを確立していくきっかけになったのが,当時行っていた上級講座の選抜試験です。年度によって少し内容は変化させていたのですが,主要7科目の論文式試験(私(取締役)と代表取締役の山口で作成した問題)を制限時間内に起案してもらい,かつ,私と山口が試験官として,グループ・ディスカッション(一般事項と民事実務基礎・刑事実務基礎を内容とするもの)を行っておりました(今振り返ると,合否判定はかなり甘めにしていたものの,超ガチ過ぎる試験でした。笑)。そんな最初の選抜試験で,林さんは,“条件付き合格”という,合格水準より少し下のラインで合格しました。その結果を踏まえ,林さんは,自分が改善すべき学習のポイントが何なのかを自己分析し,講座をただ受動的に利用するのではなく,ゼミ内で積極的に自分の考えを発言をしたり,時には我々講師に対して,「ここはもっとこうなりませんか?」といった感じで質問を投げかけてきたりと,“能動的”な学習スタイルに変わっていった印象です。言い換えれば,講師の言うことを鵜呑みにせず,利用できていたのだと思います。その結果,3年次生の時に中央大学法科大学院に合格し,そこからさらに1年磨きをかけて,最終的には,授業料半額免除で翌年も中央大学法科大学院に合格し,さらには,早稲田大学法科大学院慶應義塾大学法科大学院に合格するという快挙を成し遂げました。

 林さんは,現在(2020年8月時点),慶應義塾大学法科大学院を修了し,いよいよ司法試験に挑むことになります。彼は,意外と(って言ったら失礼ですね。笑),後輩の面倒見が良い部分がありましたので,ご自身の合格はもちろん,同時に,是非,後世にも何かを残していってもらえるような存在になっていただければなと思っております!

 

                       [コメント:取締役 徳丸 祐治]