【受講・合格体験記】井上 彩華 さん

【氏名】

 井上 彩華 さん

【大学】

 大阪経済法科大学 法学部 法律学

法科大学院

 明治大学法科大学院 修了[法務博士(専門職)]

【合格実績】

 2014年11月 法学検定試験 ベーシック(基礎)コース 合格

 2016年12月 宅地建物取引士資格試験 合格

 2017年10月 明治大学法科大学院 合格(授業料全額免除)

 2021年1月     司法試験 合格[2021.1.20 追記]

【主な受講歴】

・ 法職基礎講座[1期](大学 特修講座)

司法試験予備試験法科大学院入試対策講座[2015](大学 特修講座)

・ 司法試験対策講座(基礎編)[2016](大学 特修講座)

・ 司法試験対策講座(実践編)[2017](大学 特修講座)

慶應義塾大学法科大学院入試対策ゼミ[2017]

【受講・合格体験記】

1.法職基礎講座[1期]

 初回の授業で,六法の引き方を丁寧に教えてくださったことがすごく印象的です法職基礎講座の1期は民法から勉強を開始しました。実際民法は司法試験においてもかなり重要な科目であるから,どの科目よりもいち早く取り組めたことはとても良かったと思います。しかし,法律初学者にとって民法は普段の生活で聞きなれない法律用語がたくさん出てきて,私自身はいきなり法律の勉強につまずいてしまいました。その名残が今でも残っているのか,現在でも民法は一番苦手です(笑)。ただ,その点は,2期から科目を回す順番を変更して,取っつきやすい刑法から始まっていたため,後輩にはそのような懸念はなかったのではと安心しています。

 1年間で7科目の基本書を全て一周するのは独学ではとてもではありませんが無理です。ただ基本書を回すのではなく,ランク付けをしながら,また小テストやところどころでソクラテスメソッドも織り交ぜながら講座を進行してくださったため,勉強にメリハリがつきましたまた,使用する基本書の選択も素晴らしく,ロースクールに進学した現在でも当時購入した基本書をほとんどそのまま使用しています

 この法職基礎講座をしっかり受講することが,今後の司法試験を目指していくうえで一番重要だったのだと今すごく感じています。

2.2年次以降の講座

 毎回,講座生で集まって起案して講座においてその解説を受けるというスタイルでした。これは,今現在ロースクールで行われる演習授業や自主ゼミも同じスタイルで行っているのですが,このやり方を学部時代に身に着けることができていたことはとても大きかったです。

 講座のスタイルはソクラテスメソッドで行われます。授業を止めて他の講座生に迷惑を掛けないように,ある程度の予習をして参加していました。ローに進学して思ったことはこのシステムに学部時代から慣れておいたことが本当に助かりました(笑)。毎回,起案の添削を行ってくれランク付けもされて返却されること,他の講座生の答案も観ることができることから自分の知識が正しいのか,知識を答案に正しく示せているのか,を客観的に確認することができたことが良かったと思います

 2年次から4年次まで通して思ったことは,定期的に起案をする機会を設けてくれたことはすごく大事だったのだとローに入って痛感しましたローに入ってしまうと,課題が膨大なこと,普段の授業の予習復習なので自分の勉強時間を作出することが難しいことから,起案を書く数はどうしても減ってしまいました学部時代にたくさん書いて,ある程度の形を自分の中で定立しておいたことで,その型が定着し今でもすごく役立っています

3.全体的に

 とにかく一番感謝していることは,講座内で先生から頂いたPowerPointの資料やレジュメ,参考答案です。今のロー生活でも多分に活用させて頂いています(笑)。問題を普段解く中で,どうしても演習本や解説本などは論点の解説に重きが置かれていて実際に答案にする際のメリハリ,分量や重要度が今一つ分からない場合が多いです。そんな時に先生方の資料を参考にすることで自分の中で整理をつけることができます。

 ソクラテスメソッドに最初はあたふたしてしまいましたが,講座内で先生方に当てられた際に,間違えて答えてしまったことが逆に記憶に残り,きちんと正しい理解をすることができていきました

 講座は基本予習不要で復習ベースとのことでしたが,個人的には予習をある程度していた方が授業内容に集中できるので予習をしてから臨むようにしていました。勉強方法ばかりは,いろんな人からやり方を聞いたとしても最後は自分で確立する必要があると思います

 また講座では,先生方の受験生時代の話や現在の実務のお話を聞くことができたり,講座内で講演会を開催してくれたりなどの機会を踏まえてモチベーションを上げていました。先生方との懇親会もすごく楽しかったし,先生との距離が近いことが本当にこの講座の良い点だと改めて思います

 現在ロースクールに進学して有意義な毎日を送っていますが,本当に思った以上に過酷です。学部時代に予備試験に合格していればと何度も何度も思いました。1年次から4年次まで先生方が予備試験に合格できるよう必死に講座を行ってくれていたのにその期待に応えられなかったことも申し訳なかったなとすごく思いました。早期合格をすればその後の人生の選択肢もかなり増えます。後輩にはぜひこの講座を通じて予備試験ルートでの司法試験合格を目指していってもらえばと思います。

 本当にこんなに親身になってくれる先生方はいません(笑)。法律の知識を得ることができたことはもちろん,このような恩師や一緒に勉強をすることのできる友人に出会えたことが私自身本当にありがたかったです。そのような面も含めて,司法試験を目指していく中でこの講座を受講することはものすごく有益だと思います。

 

※ 2019年2月にご寄稿いただきました。

 

【コメント】

 井上さんは,一言でいうと,とても努力家です。アルバイトを日々こなしつつ,与えられた時間の中で法律の勉強に励んでおり,本当によく両立してがんばっていたなぁ,という印象が強く残っております。一方で,とても負けず嫌いで,起案添削の評価がイマイチだったとしても,そこから歯を食いしばって復習に力を注いでいました。詳しく話すと本人の名誉(?)が傷付いてしまうかもしれないので,少し濁して思い出話を一つお話します(笑)。それは,入門講座後の新年度から始まったゼミスタイルの講座(毎回各自に起案をしてもらい,その解説を双方向でやり取りしながら,提出起案をリアルタイム添削していく内容でした。)の初期のある日,講座中に井上さんが悔しさを表に出したことがあったのですが,今思えば,あの日を境に井上さんの勉強ギアが一段階アップし,そこからステップアップしていったような気がしております。その日の講座の出来事は,私(取締役)自身もとても記憶に残っております(笑)。今思うと,本当にめげずにコツコツ努力していてくれたのだなと感じております。その努力もあり,本人が志望かつ前提としていた“授業料全額免除”で見事,明治大学法科大学院合格を勝ち取れたのだと思います。

 井上さんは,現在(2020年8月時点),明治大学法科大学院を修了し,いよいよ司法試験に挑むことになります。彼女の持ち前の踏ん張り強さと,明るい人柄があれば,すばらしい法曹になること間違いなしなので,心から応援しております!

 

                       [コメント:取締役 徳丸 祐治]