【受講・合格体験記】一ノ瀬 健伍 さん

【氏名】

 一ノ瀬 健伍 さん

【大学】

 大阪経済法科大学 法学部 法律学

法科大学院

 神戸大学法科大学院 修了[2022.4.1 追記]

【合格実績】

 2019年 9月 同志社大学法科大学院 合格(授業料全額免除)

 2019年 9月 立命館大学法科大学院 合格(S奨学金,総合10位)

 2019年12月 神戸大学法科大学院 合格

 2019年12月 大阪大学法科大学院 合格

 2022年 9月 司法試験 合格[2022.9.6 追記]

【主な受講歴】

・ 法職基礎講座[3期](大学 特修講座)

・ 司法試験対策講座【基礎編】(大学 特修講座)

【受講・合格体験記】

1.法職基礎講座[3期]について

 私が法職基礎講座を受講し役立ったと思う点は,以下のように①大学入学後早い段階で基本7科目を学べた点②講座時間外の問題演習指導について③先輩や同じ目標を有する人とのつながり④定期的な面談である。

(1)大学入学後早い段階での学習について

 私は大学1回生の時,法職基礎講座を5月ごろから受講しており,翌年度の3月に基本7科目が終了するカリキュラムだった。これにより,学習を初めてから一年で基本的なインプットの学習を終了することができ,早い段階での基本的な知識の取得が行えた。早い段階でのインプットを終わらせることができたことにより,その後の大学在学期間において,これらについて深く考えていく時間的な余裕が確保できたと考える。また,講座の進行は講師からの適宜の質問等を交えて行われ,単に講座を聞くのみの場合と比較して実際に考えながら講座を受講することができた。これによって,どのような観点から検討を加えたらいいのか等を学ぶことができ,これは講座の復習やその後の自習等にも役立つことになったと感じるまた,学習の入門段階から考える習慣を身につけたことにより,その後の学習の際にも,適宜考えると言う習慣ができたといえ,その後の学習をスムーズに進めていく上で有益だったと感じる

 実際に,私は1回生の時に基本7科目を終了させたことによって,大学院入試までの期間において基本的な知識が前提となる発展的な内容の学習や,答案作成を通じたアウトプットの学習を行う時間が作れた。また,難解な内容を含む単元等についても,時間的制約を受けることなく,納得のいくまで考察を行うことができた。これらを通じて確実な知識の習得やこれを実際に用いるための思考方法を確実に取得することができたと感じている。そのため,大学院入試についても結果を残せたのではないかと考える。

(2)講座時間外の問題演習指導について

 法職基礎講座受講時,各科目の実施の際に講座の時間外を用いてその科目についての基礎的な問題演習についての指導も行っていただいた。このようにインプット講座と並行して基本的なアウトプットを行うことにより,講座で学んだ知識を用いた問題演習方法を学ぶことができ,自習の際に自力で問題演習を行うことができたまた,基本的な知識のインプットを行う目的は,最終的には試験本番に試験問題を解く際に用いることのできる知識の取得であると考えられるが,インプットと同時にアウトプットを行うことにより,アウトプットというゴールから逆算した学習を意識することができ,より効率的かつ確実な学習を行うことができるようになったと言える。

(3)先輩や同じ目標を有する人とのつながりについて

 学習を行っていくに際して,個人での学習には限界があり,自主勉強会等を通じて切磋琢磨していくことが望ましいと考える。講座を通じて他の学習者とのつながりを作ることによって,このように切磋琢磨をしていく仲間を見つけることができると言える。

 私も1回生の時には,講座を介して知り合った先輩に問題演習を長期間にわたって教わることにより,個人での学習のみによっては困難な実践的な学習を行うことができた。これにより,教えていただいた先輩方もつまずいた内容や学習のコツをより細かく具体的に教わることができたと感じる。また,講座の同期と共に他大学院入試本番の対策のための自主勉強会を行った。これによって試験対策をより実践的に行うことができたといえ,自主勉強会を通じて試験傾向や答案作成を学んだことにより,法科大学院入試本番にも対応することができたと言える。

(4)定期的な面談について

 講座受講時,定期的に講師と一対一での面談を実施していただいた。これによって,定期的に学習の方向性の矯正や,学習方法の問題点の発見及びその修正方法を示していただいた。これによって,継続的に行う学習を正しい方法によって行うことができる環境を作れたのではないかと感じる確実に実力をつけることに繋がったのではないかと考える。また,講義時から講師との距離が近いため,面談についても萎縮せずに行うことができたことも大きかったと考える。

 私も定期的な面談において,普段の講座内において講師からの質問での回答内容や回答に至るまでの時間,また,講座外での答案指導の答案内容等を考慮してどのように自習をしているのか,また,そのような勉強法の問題やその改善策を具体的に指摘していただいた。これによって,適宜の勉強方法の修正が可能になったように感じる。このように正しい方向性での学習を継続したことにより,確実に講座内容等を吸収する事ができ私の学習の基礎を形成したと考え,このことが法科大学院入試においても良い結果を残すことができたと感じる。

2.司法試験対策講座【基礎編】について

 私が司法試験対策講座【基礎編】を受講して役立ったと思う点は,答案作成についての具体的な思考方法を確立することができた点にあると考える。

 司法試験対策講座【基礎編】は,旧司法試験の問題を題材にして,これらを実際に答案作成し,その後に答案作成した問題についての解説を受けるといったものである。前述のような講座外での問題演習指導においては,基礎的な問題のみを教わっていたため,この段階において初めて実践的な難易度の問題を考えることとなった。同講座において答案作成を1科目につき15問ずつ程度こなしていくことによって,法職基礎講座において身につけた知識を答案へと反映させる方法および問題の解法を学ぶことができたまた,全ての問題について実際に答案を作成したことにより,答案作成時の文章作法やテクニック等を学ぶことができた。これを多くの問題で行っていくことにより,より確実に身に付けることができた

 私は講座を通じて答案作成の基本的部分を確実に身につけることができたと感じる。このように答案作成の方法を身につけることにより,その後の学習において問題演習を通じたアウトプットを行う際に実際に答案作成まで行わなくとも,その構成のみをしより多くの問題演習をこなしていくことができたといえ,効率的な学習を行うことができたと感じるこのような効率的な問題演習を行うことによって,様々な問題への対処法を身につけることができ,様々な問題傾向の法科大学院入試へも対応することができたと考える。

3.私が行った学習方法について

 私は,基本的な知識のインプット・これを用いて答案作成方法の確立・構成段階まででの問題演習を行ってきた。このように早い段階での答案作成や問題演習を通じてアウトプットを行なうことによって,どのような観点で学習すればアウトプットにつながるインプットができるのかや,実践的な知識のインプットにも繋がったのではないかと感じる。

 問題演習を早い段階で行うことは,初学者については知識面等も十分でない状態において実際に解けないのではないかと考えることも十分にありえ,私も初めはそのように考えていた。もっとも,実際に行ってみて感じたのは,知識のみを身につけてもこれを答案にそのまま示すのは困難であり,知識を身につけていく段階で問題ではどのように問われているのか等を念頭に置くことが重要であると感じた。このように意識付けしてインプットを行ったのちには,それまでとは比べもにならないぐらい問題を解けるようになり,確実にレベルが上がったと実感している

4.受講生や後輩に伝えたいことについて

 今後講座を受講することになる方に対しては,情報収集等により有益な情報を得て早い段階での勉強方法等の確立をしてほしいと考える。前述のような私の勉強方法についても,講師の方の発言やSNS等における司法試験合格者の学習方法を踏まえた上で,みんながやっている公約数的な部分のうち自分にあったものを実践したに過ぎないものである。そのため,情報を取捨選択し,自分にあったものを見つけてこれを継続していってほしいと考える。また,情報収集と言っても様々な情報が溢れかえっているわけであり,どの情報が有益かの判断は難しいかもしれない。そのような場合には,講師の方等にどのような情報を得るべきかを相談した上での方が良いかもしれない。

 

※ 2020年4月にご寄稿いただきました。

 

【コメント】

 一ノ瀬さんのイメージは,まずは定期的に変わる髪色ですね(笑)。一見すると,チャラく誤解されてしまう感じなのですが,話すとすごく素直で,自分の決めたことに対してきちんとマジメに取り組んでいる印象でした。当時担当していた講座は,入門講座も起案の基礎ゼミも中々ハードな内容でしたが,欠席することもほとんどなく,自分のペースを保ちつつも,何とかこなしてくれていました。特に,起案の基礎ゼミでは,毎回時間を測ってフル起案をしてもらっていたのが功を奏したのか,体験記にあるように,自学力をしっかりと身に付けられたのが大きかったのではないかと思います。また,質問や面談時等のアドヴァイスを素直に聴き,実践する姿勢も自学力の向上に繋がったのだと思います。これらの積み重ねゆえ,法科大学院入試は,受験校に全て合格というすばらしい結果を勝ち取れたのだと思います。

 一ノ瀬さんは,現在(2020年7月時点),神戸大学法科大学院に在学中です。法科大学院は,基礎学力を持って入学するか否かで,良くも悪くも過ごす時間の質が大きく変わってきます。学部生時代に培った自学力をベースに,より充実した学習環境において,さらなる飛躍を期待しております!

                       [コメント:取締役 徳丸 祐治]